約 3,113,569 件
https://w.atwiki.jp/acbh/pages/85.html
テンプル騎士 ◆「地に足をつけて」 - Sequence 6 ランツは近くの屋根の上をぶらついていることが多い。見つけ出し、倒すことランツを見つける ランツを暗殺する フル・シンクロ条件 - アサシンブレードでターゲット殺害 報酬:800f ターゲットは探索エリア最南端の建物の屋上にいる タカの目を使ってターゲット視認またはターゲットがこちらに気づくと逃亡する 崩れた建物が多いがロス少なくフリーランしていれば追いつき暗殺できる ◆「ビラ破り」 - Sequence 6 ビラを破り、アウグスト・オベルリンを工房からおびき出し、見つけ出して倒すボルジアの宣伝ビラを破り捨てる アウグスト・オベルリンを倒す フル・シンクロ条件 - アサシンブレードでターゲット殺害 報酬:800f 最北端のビラの前には敵2人がいて、はがそうとすると攻撃してくるので倒す ターゲットは5カ所のビラをはがすと敵2人を引き連れて出現するので、アサシンブレードで倒す ◆「破門」 - Sequence 7 リストーロは教会の近くに隠れている。見つけ出し、倒すこと気づかれずにリストーロを発見する 気づかれずにリストーロ倒す フル・シンクロ条件 - リストーロをエア・アサシンで倒す 報酬:1100f ターゲットは教会の中庭に入ると出現する。内壁に掴まって降りて行き、ターゲットが現れた所でエアアサシンを使ってミッション完了。 ◆「射線」 - Sequence 6 絶好の位置から撃ってくるガスパール・デ・ラ・クロワを倒すガスパール・デ・ラ・クロワを倒す フル・シンクロ条件 - 45秒以内にアサシンブレードで標的を殺害 報酬:800f 追跡ルートは真っ直ぐ追うか迂回するか最初の閉じた門の横を登り、敵2人を避け、最後の門の右の梁を使い、その先1段乗り越える 右の桟橋→杭→桟橋→杭→ゴンドラ、少し漕いで昇降機、1段乗り越える ターゲットは最後のせまい砦内を一周してから銃をかまえて攻撃してくるので、その前に動きを見て暗殺 塀を2回越えると、その先は行き止まりになっていて、ターゲットが引き返してくるので、その時に煙幕で動きを封じてから倒すのが良い ◆「赤い手」 - Sequence 7 リア・デ・ルッソは浴場の遺跡の近くにいる。見つけ出し、倒すことリア・デ・ルッソを見つける フル・シンクロ条件 - アサシンブレードでターゲット殺害 報酬:1100f ターゲットはカラカラ浴場のトンネル入り口前にいる タカの目を使ってターゲット視認またはターゲットがこちらに気づくと逃亡する 逃亡開始時トンネルから北側(医者)の壁を上っていくので事前にルートの屋根上にいると簡単。ターゲットは常に屋根上を逃げるので普通に追いかけても倒せるが周りの敵に邪魔されやすい ◆「大物騎手」 - Sequence 6 ドナート・マンチーニはチルコ・マッシモにいる。見つけ出し、倒すことドナート・マンチーニを暗殺する エリアから離れ一般市民状態に戻る フル・シンクロ条件 - ドナート・マンチーニだけ倒す 報酬:800f ターゲットは馬に乗っていて広場に配置した部下4人の中心にいる 部下の動きを見ながら銃かボーガンで暗殺、または馬に乗って一気に近づいて馬から馬への暗殺 暗殺後は北西にあるテベル川に向かって逃げ、川を渡るといい
https://w.atwiki.jp/blacklist/pages/310.html
【装備】へ アサシン用武器 アサシン用頭防具 アサシン用胴防具 アサシン用装飾品
https://w.atwiki.jp/bulletforce53/pages/19.html
キルストリーク キルストリークは、試合中、特定のキルストリークに到達すると使用可能になります。 最初は暗く表示されていますが、特定のキルストリークに到達するとオレンジ色になり使用可能になります。 オレンジ色になったボタンにタッチすれば、そのキルストリークを発動することができます。 発動中のキルストリークは緑色になります。効果が終了すると黒に戻ります。 自分がキルストリークを使用すると、「敵の~が接近中」「敵が~を使用」等と敵全員に通知されます。使用者のユーザー名は通知されません。 キルストリークは全9種類の中から3つ装備できます。 キルストリークにはランク制限等はなく、最初から9種類全てが解放されています。 戦闘中に装備しているキルストリークを変更することはできません。 自分が1つでもキルストリークを発動していると、他のキルストリークは使用可能状態でも使用することができません。 キルストリーク使用中にデスしても、効果時間内であればリスポーン後も効果が続きます。この場合、キルストリークの効果中にそのキルストリークの使用可能条件に到達する場合があります。その場合は打ち消されてしまい、効果終了後は使用不能状態に戻ります。その状態から追加で1キルすることで使用可能になるようです。 キルストリーク一覧 UAV必要キルストリーク数:4 敵全員(パーク「認識不能」装備者を除く)を、20秒間マップに表示する。 発動で250EXPを獲得できる。 カウンターUAV必要キルストリーク数:5 敵全員のマップを、20秒間見えなくする。 発動で500EXPを獲得できる。 アドバンスドUAV必要キルストリーク数:8 敵全員(パーク「認識不能」装備者を除く)を、30秒間マップに表示する。さらに、マップ上の敵は三角形で表示されるようになり、どの方向を向いているかも分かる。 発動で600EXPを獲得できる。 ヘイスト必要キルストリーク数:9 自分の走る速度、エイム速度、ジャンプの高さ、リロード速度が25秒間上昇する。発動中は全てのボタンが黄緑色になる。 発動で500EXPを獲得できる。 スーパーソルジャー必要キルストリーク数:13 30秒間、自分の発射する弾丸が青くなり、攻撃力が上昇する。 発動で650EXPを獲得できる。 核必要キルストリーク数:25 ゲームに参加している全プレイヤー(敵味方全員、自分自身も)をキルする。発動すると全プレイヤーに聞こえるサイレンが鳴り、全プレイヤーの画面が白くフェードしていき、爆発音と同時にキルする。BulletForce最大のロマンとされ、実況者界では核が発動すると所謂「神回」とされることが多い。 発動で4000EXPを獲得できる。
https://w.atwiki.jp/tamagrail/pages/112.html
◆◇◆◇ きっと手を繋ぐだけで、ゾッとされる。 馬鹿げた競争に一抜けしたら、通報される。 “突然変異”なんかじゃない。 ボクは、ボクでいたいだけ。 朝。鏡の前に立って。 きれいに顔を洗い流して。 ボクは、望むままに自分を彩る。 スキンケア。お肌を整えて、下地のメイク。 ファンデーションに、コンシーラー。 仕上げでしっかりと整えて。 そうしてボクは、変身していく。 なりたい自分を、形作っていく。 ボクの好きなものを、突き詰めて。 お化粧の下に、ありのままの真実を隠す。 ボクにとっての好きなもの。 ボクの世界に色を与えてくれるもの。 好きなファッション、好きなコスメ。 ボクは、何にだってなれる気がしてくる。 自由になって。望む姿になって。 ボクは、ボクらしく在り続けて。 そうすることで、閉ざされた心が解放されていく。 この瞬間、確かにボクは満たされている。 けれど。 そんな自分の奥底を、大切な人達に打ち明けられない。 秘密のクローゼットに、真実を押し隠している。 ―――よく見ないとどっちかわからない。 ―――気付かなくて、びっくりしちゃった。 取り巻くのは、好奇の眼差し。 悩みも、苦しみも。 本当は誰かに、打ち明けたい。 でも。裸の心なんて、見せられない。 剥き出しの想いなんて、言えない。 そうすることで何かが変わってしまうのが。 他の何よりも、怖かったから。 ―――みんなに合わせられないの? ―――普通の格好すればいいのに。 そんな言葉にも、慣れちゃってる。 けれど、いつだって胸の奥へと突き刺さる。 今のままがいい。 みんなと一緒にいたい。 けれど、話せないボクがいる。 何も伝えられない、ボクがいる。 そうすれば、ボク達は永遠になるかもしれないって。 そんな臆病な想いを、抱いてしまった。 何も知られなければ、押し込められない。 常識なんて型に、嵌め込まれない。 “当たり前”や“普通”という色眼鏡で見られることもない。 そうしてボクは、口を噤んで。 掛け替えのない友達、何も伝えない。 みんなを信じたくても、不安と恐怖に足止めされる。 やっと見つけた居場所を喪うかもしれないのが、怖かった。 “話すことで、良くない結末になる”かもしれないから。 だから。 “暁山瑞希”の真実は、未だに秘密のまま。 ボクという人間は、“嘘つき”で出来ている。 睫毛を整えて、目元をなぞって。 淡く薄いリップを塗って。 チークで彩った顔で、ほんの少し微笑む。 よし。大丈夫―――今日もカワイイ。 暗示のように、ボクは唱える。 “変身”したボクの姿を、見つめながら。 ◆◇◆◇ がたん、ごとん。 がたん、ごとん。 規則正しいリズムで響く音。 窓越しに過ぎていく、真っ暗な景色。 電車の中。端っこの座席。 ボクは、夢うつつにいるように。 ぼんやりとした顔で、寄り掛かるように座っていた。 ふぅ、と息をつく。 バイトが長引いて、諸々の用事も済ませて。 気が付けば、随分と遅い時間になっていた。 冬の只中ということもあって、外はすっかり暗くて。 車内にいる乗客も、いつの間にかボク一人になっていた。 がたん、ごとん。 がたん、ごとん。 ひとりぼっちの帰り道。 誰もいない日常の景色。 まるでボクだけが取り残されたような。 そんなふうに、錯覚してしまう。 気が付けば、こんな日々に放り込まれていた。 今までの現実と、少しも違わなくて。 だけど、何かがおかしくて。 そうしてボクは、あるとき“違和感”に気付いた。 まるで大切な何かを、思い出したかのように。 “セカイ”には、行けなかった。 痛みを背負い続ける、あの娘が作った心の風景。 そこへ赴く術は、失われていた。 いつもと変わらない日常なのに、決定的に欠けたものがある。 だからこそボクは、この夢から醒めた。 偽りの日々に気付いてから、数日。 それでもボクは、ただいつものように過ごすことしか出来ない。 家で過ごして、気ままに外へと出かけて。 バイトにも行ったりして、たまに学校へ行って。 何も変わらぬまま、時だけが過ぎていく。 真実に霧が掛かったまま、ボクは彷徨い続けている。 がたん、ごとん。 がたん、ごとん。 電車は、走り続ける。 闇夜の景色が、過ぎていく。 ぽつぽつと見える外の灯りをよそに。 時間だけが、無為に進んでいく。 ボクを置いていくように。 ――――帰りたい。 そんなことを、ふいに思った。 その想いを抱いた瞬間。 不安と孤独が、胸の内を苛んだ。 一人でいることには、ずっと慣れていたんだけどな。 自嘲するように、ボクは思う。 だけど。今はもう、違う。 がたん、ごとん。 がたん、ごとん。 車輪が回る音。車両の揺れる音。 それに紛れ込むように。 かつ、かつ、かつ―――小気味良い音が、耳に入った。 無骨な鉄の音の狭間で。 気品に溢れる、歩の音が聞こえた。 ボクはふと、視線を動かした。 ―――長い金色の髪の、女の子だった。 白いファーの帽子に、コートを纏っていて。 まるでお姫様のように、風格を感じさせる佇まいで通路を歩き。 やがてボクの眼の前の座席へと、向かい合う形で腰掛けた。 周りに、他の乗客はいない。 ボクと彼女。二人だけで、この空間に居る。 真正面から向き合って、彼女はボクを見つめてくる。 白い肌と、蒼い眼を持つ、綺麗な娘だった。 外国の人かな―――なんて、能天気に考えてしまうボクがいた。 がたん、ごとん。 がたん、ごとん。 鉄と車輪の音が、変わらず響く。 ボクとその娘は、ただ黙って対面し続ける。 沈黙。静寂。 電車の音色だけを背景に。 ボク達は、無言で僅かな時を過ごす。 彼女は、ボクを見つめていた。 小さな顔と、宝石のような瞳で。 ボクの姿を、静かに捉えていた。 思わず、覗き込まれるような感覚を覚えて。 照れ臭さのような、気まずさのような。 そんな複雑な気持ちを抱いてしまうけれど。 やがて、彼女は。 その端正な顔を緩ませて。 向き合うボクへと、静かに微笑んできた。 「ごきげんよう」 その娘と向き合って。 その娘に呼びかけられて。 「そして、“初めまして”」 その一言を、掛けられて。 ボクは、何かを悟ったように。 何とも言えぬ微笑と共に、応える。 「……うん。はじめまして」 ◆ いつか見た夢。 遠い西洋の国。 時計塔を中心に広がる市街地。 あちこちから立ち込める蒸気。 そんな舞台を背景に。 月夜を飛翔する、一つの影が在った。 黒い帽子。黒いマント。 まるで怪盗のような姿で、“彼女”は往く。 重力というものに、囚われることなく。 街の上を、縦横無尽に跳躍する。 飛ぶ。跳ぶ。翔ぶ――――。 ああ、この娘は。 果てしない壁さえも飛び越えて。 月の彼方まで行けちゃいそうだ。 霧と煙の夜を舞う、その姿を見つめて。 ボクは、そんなことを思っていた。 ◆ 目の前の“その娘”と対面して。 脳裏に、情報が流れ込む。 知りもしなかった、この世界のシステム。 まるで漫画かアニメのような。 とても現実とは思えない、ファンタジーな物語が。 ボクの記憶の中に、確かな実感を伴って刻み込まれていく。 ――――聖杯戦争。 ――――古今東西の英雄、サーヴァント。 ――――彼らを従えるマスター。 ――――たった一組の勝者を選定する戦い。 ――――その果てに得られる、奇跡の願望器。 ひどく現実味に乏しい話なのに。 夢でも見ているんじゃないかと錯覚しそうなのに。 けれど、ボクはただ、それを信じるしかなかった。 大切な人達と分かたれた世界で、ボクは目の前の現実を受け入れる他なかった。 ああ、そうだ。 ボクは既に“未知”を見ている。 “誰かの想いによって形作られたセカイ”。 そんなものに触れていたからこそ。 空想のような真実を、捉えられた。 「アサシン……で、いいのかな」 「ええ。宜しく、マスター」 だから、ボクは目の前の女の子―――アサシンに問いかける。 アサシンはすぐに頷いて、淑やかに微笑みを見せた。 ステータスとか、そういうものは一切見えないけど。 ボクと彼女の間に魔力ってものの繋がりがあるらしくて、そのおかげで“クラス”を直感で知ることが出来た。 「なんか……凄いね、こういうのって」 「そうね。私も、最初は驚かされたわ」 「奇跡なんだね、ホントに」 「ええ、正真正銘の願望器。手に入れれば、どんな祈りも叶う」 ふたりきりの車内。 取留めもなく、言葉を交わし合う。 お互いに現実味がないような様子で。 ボク達は二人で、緩やかな時間を過ごす。 「すごいなぁ、何だか……」 そうしてボクは、ぼんやりと呟く。 思いもよらない現実を前にして、呆然とする。 誰かの“想い”を具現化する―――そんな力は、確かに知っている。 バーチャル・シンガーの力によって齎されるセカイ。 それぞれの歌に触れた人間が形作る、心の風景。 ボクはそれを知っている。 だからこそ、どんな祈りでも叶う奇跡を。 ぼんやりとだけど、受け入れられたのかもしれない。 「ねえ、マスター」 がたん、ごとん―――。 がたん、ごとん―――。 物思いに耽るボクに向かって。 彼女は、静かに呼びかけてくる。 「あなたは、“奇跡”に――――」 がたん、ごとん―――。 がたん、ごとん―――。 向かい合うボクと彼女。 電車が、揺れる。 景色が、夜が、動く。 そして。 「――――何を望むの?」 ほんの一瞬。 視線を逸して。 また目の前を視た直後。 ボクは、目を丸くした。 先程までの“少女”の姿は、何処にもなく。 まるで入れ替わるように、“彼女”は眼前に座っていた。 銀色の髪。真っ黒な外套。 何処かスパイを思わせる衣服だったけれど。 フリルのついたスカートが、ドレスみたいに対照的で。 そして、“彼女”の顔は。 先程までの“少女”と、瓜二つだった。 ◆ 私達が、離れるなら。 私達が、迷うなら。 その度に、何回でも繋がれるように。 それが、“彼女”と“王女”の絆。 そして、“白い鳩達”の契り。 壁によって遮られ。 それでもなお貫かれた、二人の友情。 全てを欺く、鏡合わせの愛。 少女の“嘘”は、世界を変える。 想いを隔てる、壁さえも乗り越えて。 ◆ 「凄いね……一瞬で“変身”しちゃった」 「ええ、“黒蜥蜴星人”の特殊技能よ」 クロトカゲ―――何だって? 妙な単語に、思わず聞き返しそうになったけれど。 真顔でそんなことを言ってきた“彼女”に対し、問い詰めるのも気が引けてしまった。 出で立ちは違くても、顔はそっくりなのに。 けれど、身にまとう雰囲気は全く異なっている。 まるで、何ていうか―――もっと“只者じゃない”みたいな。 そんな張り詰めた空気が、漂っていた。 それだけじゃなくて。 すぐ目の前に姿があるのに。 実態が無いかのように、気配が朧気で。 まるで幻影でも目の当たりにしているかのような感覚に、内心面食らってしまう。 彼女は、ボクをじっと見つめている。 ボクの答えを、待つように。 ――――あなたは聖杯に、何を望むの? その問いは、未だ続いている。 それを察したボクは、少しだけ考え込んで。 やがて、“彼女”の目を見据えて答えた。 「……何も望まないよ。ただ、帰りたい」 ボクは、きっぱりと答えた。 きっと、奇跡の力があれば。 どんな悩みだって、振り払えるんだと思う。 ありのままの姿を打ち明けられない、臆病な自分。 社会と自分のギャップに、延々と苛まれる自分。 願望器があれば、そんなものも容易く乗り越えられるのかもしれない。 「ボクのこと、いつまでも待ってくれるって。 そう約束してくれた“友達”がいるから」 だけど、それでも。 ボクには大切な“居場所”があるから。 待ってくれる“友達”がいるから。 それ以上のことは、望まない。 ―――いつか話してもいいって思ったら、話して。 ―――それまで私、待ってるから。 ―――話せる時が来るまで、ずっと一緒にいる。 嘘つきで、臆病なボクに。 “あの娘”は、そう言ってくれた。 無理に言わなくてもいい。 それでも、友達だから力になりたい。 いつか話してくれる時まで。 ずっと傍に居たい。 そう伝えてくれたことが、嬉しくて。 少しでも前に進んでいきたいと、思えるようになって。 だからこそ、ボクの望みがあるとすれば。 それはただ、“元の世界に帰りたい”という一点だけだった。 だって―――大切な友達が、ずっと待っててくれているのだから。 皆が作ってくれた居場所に、ボクは戻りたかった。 そんなボクの想いを聞き届けて。 アサシンは、静かに目を閉じていた。 何かの思いに耽っているかのように。 過去を振り返って、懐かしむかのように。 「いい友達ね」 そして彼女は、瞼を開いて。 微かに笑みを浮かべた。 そんなアサシンの姿に、ボクは仄かな安心を覚えた。 その優しげな微笑みを見て。 彼女の心に、少し触れられた気がしたから。 「今は、まだ……難しいけれど」 だからこそ、ボクはぽつぽつと語る。 胸の内の想いを、静かに紡ぐ。 「いつか、越えなきゃって思ってるんだ。 友達にもまだ打ち明けられてない、本当の自分のことを」 ボクは、まだ決心が付いていない。 不安と拒絶。喪失への恐怖。 真実を伝えることで、ささやかな幸せが壊れてしまうかもしれない。 そうして足踏みを続けて、前へと進むことができなくて。 だけど、ボクの“友達”は。 いつまでも待ってくれると、そう言ってくれた。 だからこそ、思う。 もしも、ほんの少し。 ほんのささやかにでも。 踏み出す勇気を掴めたのなら。 その時は、越えたい。 「――――“嘘つき”な、ボクの壁を」 ボクを堰き止める。 とても大きな、心の壁を。 ◆ 「空」 「え?」 「翔びたいと思ったこと、ある?」 がたん、ごとん。 がたん、ごとん。 音が、流れていく。 景色が、流れていく。 深い夜に、揺られて。 「……うん。自由に、ありのままに」 「そう。なら、連れて行ってあげる」 がたん、ごとん。 がたん、ごとん。 過ぎゆく世界の中で。 彼女は、そんな約束をしてくれた。 ボクの瞳を、まっすぐに見つめて。 ◆ がたん、ごとん。 がたん、ごとん―――。 「駅、着いたみたい」 それからボクは、再び瞬きをした。 瞼を閉じた、ほんの刹那の合間に。 眼の前にいた黒衣の少女は、再び金髪の“お姫様”へと戻っていた。 彼女は何事もなかったかのように、優しく微笑んで。 座席から立ち上がってから、ボクに手を差し出した。 「行きましょう。マスター」 その言葉に誘われるがままに。 ボクは頷いて、彼女の手を取った。 そうして、ゆっくりと身を起こしてから。 仄かな明かりの灯る駅のホームへと、二人で降り立つ。 そうしてボク達はゆっくりと、静寂の中へと溶け込んでいった。 ◆◇◆◇ 少女“アンジェ”は、スパイだった。 東西に二分された英国を変えるべく。 自らの願いの全てを背負わせてしまった“親友”を救うべく。 彼女は、影の戦いへと身を投じていた。 その狭間で、思い出す。 白鳩の名を冠した、仲間達のことを。 たった一人で戦っているつもりだった。 それでも、“親友”は“王女”としての決意を固めて。 そして皆もまた、各々の“想い”を背負って奔り続けていた。 生前の記憶は、途切れている。 女王暗殺計画を妨げ、“王女”と共に飛び去った瞬間を境にして、霧が掛かっている。 サーヴァントとして召喚された際に、何かしらの影響が出たのかもしれない。 それでも“生前にきっと後悔はなかった”と、アンジェは直感する。 何かの納得を得て。何かの答えを掴んで。 そんな結末を迎えたことを、彼女は理解していた。 だからこそ―――彼女は内心で謝罪した。 ごめんなさい、また一人で無茶をすることになる。 親友や仲間達に、そう告げる。 聖杯。あらゆる奇跡を齎す願望器。 この世の理さえも塗り替える、絶対的な力。 それがあれば。そんなものが、あるならば。 きっと、私達のような人間は生まれなくなるのだろうと。 アンジェは、そう思ってしまった。 差別。貧困。分断。戦争―――人々は“壁”によって遮られ、苦しめられる。 “王女”は、そんな英国を変えたいと誓った。 善き世界が訪れることを、望んでいた。 ああ。 ならば、私もまた。 奇跡を、求めたい。 願望器が紛れもない真実だというのなら。 私は、それを掴み取りたい。 英国だけじゃない。 この世界のあらゆる“壁”を壊して。 片隅で喘ぐ人達に、少しでも善い世界を齎したい。 貧しき人々にも、虐げられる人々にも、安寧があってほしい。 そして、二度と想いが遮られることのない未来を作りたい。 そんな無垢で、子供のような願いを抱いてしまった。 だからこそ、アンジェは聖杯戦争へと召喚され。 そして、暁山瑞希と出会った。 ――――いつか、越えなきゃって思ってるんだ。 ――――“嘘つき”な、ボクの壁を。 瑞希の言葉を思い出して。 アンジェは、微かに微笑んだ。 何かを背負っているのは、お互い様らしかった。 “嘘”への負い目を抱えながら生きて。 それでも待ってくれる“友達”を想っている。 そんな瑞希の姿を、どこか懐かしく感じて。 だからこそ、少し肩入れしたくなってしまった。 瑞希が翔びたいと願うのなら。 その壁を超えられるために、支えたかった。 アンジェ・ル・カレ。 かつてのプリンセス・シャーロット。 彼女は、誓う。壁を越えることを。 己の願いと、マスターの想いを果たすべく。 さあ――――翔ぼう、白い鳩のように。 ◆◇◆◇ 【クラス】 アサシン 【真名】 アンジェ・ル・カレ@プリンセス・プリンシパル 【属性】 中立・中庸 【パラメーター】 筋力:D 耐久:D 敏捷:B 魔力:E 幸運:C 宝具:C+ 【クラススキル】 気配遮断:A 自身の気配を消す能力。隠密行動の技能。 完全に気配を断てば発見はほぼ不可能となるが、攻撃態勢に移るとランクが大きく下がる。 【保有スキル】 専科百般:A スパイとして体得した多数の専門技能。 戦術・学術・隠密術・暗殺術・詐術・変装術など、工作活動におけるスキルをBランク以上の習熟度を発揮できる。 心眼(真):B 訓練と実戦によって培った洞察力。 窮地において自身の状況と敵の能力を冷静に把握し、その場で残された活路を導き出す“戦術論理”。 跳躍:B 宝具『Cavorite Moon』発動時にのみ効果を発揮するスキル。 三次元機動を行う際、敏捷値にプラス補正が掛かる。 また敵への接近、攻撃の回避、戦線離脱と言った敏捷値が関わる行動においても優位な判定が得られる。 鹵獲:B 自身が調達した物資・装備に低ランクの神秘を付与させることが出来る。 対サーヴァント戦において通用する武装の現地調達が可能となる。 神秘を帯びた装備は他者への譲渡も可能だが、アサシンが魔力パスを切断することでいつでも効果は解除される。 なお一度神秘を付与した物資は、宝具『Princess Principal』で“変身”してる最中にも効果が維持される。 【宝具】 『Cavorite Moon』 ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:1\~2 最大捕捉:5 空間・物質の重力を遮断する動力源「ケイバーライト」。 それを個人携行型の球状移動装置へと落とし込んだ「Cボール」が宝具化したもの。 レンジ内の重力へと干渉し、アサシンの肉体を無重力化させることで変幻自在の三次元機動を行う。 アサシンの操作によって自在に無重力状態が制御される他、他の物質を無重力化させることで攻撃や妨害を行うことも出来る。 『Princess Principal』 ランク:C+ 種別:対人宝具 レンジ:- 最大捕捉:- 瓜二つの顔を持つ“王女”への変装。そして“真実の姿”への回帰。 アルビオン王国の王女と入れ替わる極秘任務「チェンジリング作戦」が宝具化したもの。 サーヴァント『プリンセス・シャーロット』へと変身する。 宝具の領域へと到達したことで、“変装”ではなく“変身”と化している。 発動と解除はアサシンの意思で自在に可能。なお肉体や霊基は完全にプリンセスと同一のものになるが、人格や記憶はあくまでアンジェのままである。 宝具発動中は以下のステータスに切り替わる。 《パラメーター》 筋力 E 耐久:E 敏捷:D 魔力:E 幸運:A 宝具:- 《クラススキル》 気配遮断:D 自身の気配を悟られにくくする。 最低限の隠密行動は出来る。 《保有スキル》 カリスマ:C+ 大衆の上に立つ天性の才能。 集団の士気を向上させる他、他者との駆け引きや交渉で優位な立場を引き出しやすくなる。 政治的バックを持たず、王位継承権からは遠い立場にある王女だったが、それでも人々を惹き付ける十分な才覚を備えていた。 鋼鉄の王冠:B+ 王族としての器量と覚悟。 自身に対する精神干渉の効果を大きく軽減する。 また窮地においても冷静に状況を見極め、確固たる意志を持って判断を下すことが出来る。 掩蔽の姫君:A 始まりは貧民。やがて王女と化し、そして内通者となった。 自らの真実の姿を隠しながら大衆の前に立ち続けた逸話の具現。 サーヴァントとしてのステータスを視認されず、魔力の気配も一切感知されない。 専科百般:E スパイとして体得した多数の専門技能。 学術・詐術・話術・変装術など、工作活動におけるスキルをある程度発揮できる。 アンジェと霊基を共有していることに伴い、劣化した状態でスキルが引き継がれている。 【Weapon】 オートマチック式リボルバーを携行。 遠距離にワイヤーを射出するワイヤーガンなども装備。 【人物背景】 壁によって東西に二分された19世紀英国。 その西側、アルビオン共和国に所属するスパイの少女。 東側の王女であるプリンセス・シャーロットと瓜二つの風貌を持っている。 その容姿を活かした「チェンジリング作戦」を立案し、名門校クイーンズ・メイフェア校の生徒として東側のアルビオン王国へと潜り込む。 アンジェとプリンセス。二人には、ある秘密があった。 サーヴァントとして召喚されたアンジェは英霊として限定的な再現に留まっており、TV版最終話以降の記憶を持たない。 【サーヴァントとしての願い】 差別。貧困。分断。戦争。 人々を隔てる“壁”を壊して、少しでも善い世界を齎したい。 【マスター】 暁山 瑞希@プロジェクトセカイ 【マスターとしての願い】 みんなとの時間が、1秒でも長く続いてほしい。 そして、いつか壁を乗り越えたい。 そのためにも、生きて帰る。 【能力・技能】 音楽サークル内では動画制作を担当。 コラージュや洋服のアレンジなども得意。 【人物背景】 ネットで活動する音楽サークル「25時、ナイトコードで。」のMV担当。 可愛いものが大好きな気分屋。 たまたま聴いた宵崎奏の曲に惹かれるものを感じ、MVを作って投稿する。 それが奏自身の目に留まり、動画担当として誘われた。 サークルメンバーの誰も知らない秘密がある。 参戦時期はイベント「ボクのあしあと キミのゆくさき」以降。 【方針】 生きて帰る。
https://w.atwiki.jp/acbh/pages/58.html
SEQUENCE 7 『城の鍵』 - 150x年xx月・ローマ ◆Memory-1 「漏れを止める」 敵を一掃して盗賊ギルドの場所を知られないようにし、狐と一緒に盗賊を助けに行く盗賊ギルドを守る 狐の後を追って盗賊の所へ行く 盗賊を助ける 狐の後を追って盗賊の所へ行く 盗賊を助ける 狐の後を追って盗賊の所へ行く 盗賊を見つける 盗賊を助ける フル・シンクロ条件 - 体力ブロックを5つ以下にしない ◆Memory-2 「代役の名は」 ミケロットをつけ、野外劇の舞台を確認し、アサシンの弟子を劇中に潜入させる方法を見つけるローマの東門でミケロットを探す ミケロットを尾行し舞台を探す ミケロットの部下を見つける アサシンの弟子を使ってターゲットを始末しミケロットの尾行を続ける ミケロットを尾行し舞台を探す ミケロットの部下を見つける アサシンの弟子を使ってターゲットを始末しミケロットの尾行を続ける ミケロットを尾行し舞台を探す ミケロットの部下を見つける アサシンの弟子を使ってターゲットを始末しミケロットの尾行を続ける ミケロットを尾行し舞台を探す フル・シンクロ条件 - 弟子にターゲットを暗殺させる ◆Memory-3 「退場」 気づかれることなくコロッセオに忍び込み、ミケロットに殺される前に役者のピエトロを見つけて助け出す見つからずにコロッセオを登る 銃兵を倒し、舞台裏へ向かう 舞台裏で変装した弟子と合流する 変装した弟子を舞台まで護衛 怪しまれないよう芝居中の適切な立ち位置を見つける 怪しまれないよう芝居中の適切な立ち位置を見つける 怪しまれないよう芝居中の適切な立ち位置を見つける ミケロットを見つけ倒す フル・シンクロ条件 - 銃兵以外は殺さない ◆Memory-4 「介入」 毒に侵されたピエトロをコロッセオ外の医者に連れて行き治療を受けさせるピエトロを医者まで運ぶ 逃げる盗賊を追い、捕まえる 狐がマキャヴェリを殺すのを止める フル・シンクロ条件 - 泳がない ◆Memory-5 「就任式」 クラウディアと血盟の盟友を塔へ誘う 実績 / トロフィー「血の日曜日」取得 シークエンス7・補足 >>>シークエンス8へ Sequence 7開始直後開始年月不明 美術商で新しいアイテムがアンロック 新コントラクトがアンロック 盗賊ミッションが追加盗賊ギルドで狐と話す メールが届く。アニムスから出てメールをチェック10/01/2012 12 40AM Memory 2のフル・シンクロ条件の「弟子にターゲットを暗殺させる」は弟子に殺させても時々失敗することがある。弟子が暗殺に手間取ると失敗になると思われる。弟子の行動に左右されるのでコレといった対策は無いが、失敗する確率は高くはないので数回やればフルシンクロ成功させることが出来るはず。最後のターゲットが3人の所では矢の嵐を使うと確実。 Memory 2~4は連続ミッション Memory-3「芝居中の適切な立ち位置」はタカの目で探す Memory-3 「退場」終了後ミケロットの肖像画を入手 >>>シークエンス8へ
https://w.atwiki.jp/ps3-cs/pages/89.html
トップページ > ソフトウェア > 発売済みリスト > アサシンクリード アサシンクリード 公式サイト http //www.ubisoft.co.jp/assassinscreed/ 製品名 アサシンクリード 発売日 2008年1月31日 価格 7,329円 ジャンル アクション 発売元 UBIソフト 人数 1人 オンライン最大 メディア Blu-ray Disc 対象年齢 CERO Z 18才以上対象 備考 Amazon.co.jp商品紹介より ●エルサレム 1191 AD.壮大な歴史の影で渦巻く陰謀 第三次十字軍時代。十字軍の遠征により、聖地は混沌に陥っていた。戦いを収束させるべく1人のアサシン(暗殺者)が送り込まれる。彼の名はアルタイル。アルタイルは着々とミッションを遂行し十字軍やイスラム勢力の要人たちを暗殺していく。しかし、ターゲットたちに隠された秘密が明らかになるにつれ、彼は全世界をも脅かす、恐るべき陰謀を知ることになる。 ●人々に紛れて敵を欺け!まったく新しいゲーム感覚「ソーシャルステルス」 物語の舞台となる都市では、多くの人々が生活している。生き生きと動き回る群衆の中で、いかに怪しまれずに標的をしとめるか?これまでのステルスゲームとは一線を画す「人々の中で隠れる」という新しいプレイ感覚が味わえる。 ●ミッション遂行の手段は無数!次世代の自由度「フリーパスデザイン」 ミッションに決められたルートは存在しない。人々にまぎれて確実に目標に近づくのも、最短ルートで一気にしとめるのも、すべてはあなたの選択次第。広大な舞台を自由に堪能できる。 ●あらゆるものを利用して街を駆け巡る爽快感「フリーランニング」 街にある地形や建物を最大限に利用したアクションが可能。 ●直感的なボタン操作で敵をしとめる「アサシネーション」 攻略サイト http //www13.atwiki.jp/dmc4/ 他にもありましたら追記をお願いします。(作りかけで更新停滞/終了しているサイトは除外) 簡易ゲーム評価(5点満点。) 選択肢 投票 5 (9) 4 (2) 3 (0) 2 (0) 1 (0) ゲームの感想を一言お願いします。 名前 コメント アサシンかっちょえぇ -- 名無しさん 落下して殺すと気分は暗殺者 -- ジン 渋かった。主人公になりたい -- ピクシー top
https://w.atwiki.jp/revelations/
Assassin s Creed Revelations - アサシン クリード リベレーション ジャンル アクションアドベンチャーオープンワールド 対応機種 PS3 / Xbox360 / PC プレイ人数 オフライン 1人オンライン 最大8人 メディア Blu-ray (PS3)DVD-ROM (Xbox360) 価格 ¥7770 発売日 2011年12月1日 発売元 UBI SOFT 開発元 Ubisoft Montreal (Singleplayer)Ubisoft Annecy (Multiplayer) CEROレート Z指定 因縁深いボルジア家との決着を果たしたエツィオは、 イタリア全土に一時の平穏をもたらした。 しかし、彼は若き日に父や兄弟たちを陰謀で殺されて以来、 アサシンとしての宿命に生き、使命を果たす事だけに専念していた。 ならば役目を終えた今、彼には何が残っているのか。 彼の人生にはそれに答えるだけのモノは何もなかった- 自分と同じく、あくまでもアサシンとして生きた男、アルタイル。 彼の足跡を辿ることで自身のアイデンティティを取り戻せるのではないか。 エツィオは希望を求めて、戦乱のコンスタンティノープルへと旅立つ。 ラーシェイア、ワキュン、ムトラクベイル、クルンムーキン これぞ我らが血盟の英知を集約せし言葉 闇に生き、光に奉仕する、そは我らなり 真実はなく、許されぬことなどない 眠れ、安らかに 俺はデズモンド・マイルズ。 これは俺の物語だ アサシン クリード(Assassin's Creed)@wiki ASSASSIN'S CREED II -アサシン クリード2- 攻略wiki Assassin's Creed Brotherhood - アサシン クリード ブラザーフッド - 攻略wiki Assassin's Creed III - アサシンクリード 3 攻略wiki Assassin's Creed Ⅳ - アサシンクリード 4 攻略wiki ※質問を投稿する前に当wiki内をよくお読み下さい。多くの場合よくある質問によって解決される事でしょう。 また、検索フォームも有効に使われる事を願います。 検索 and or
https://w.atwiki.jp/tenkai_cr/pages/334.html
アサシン クリード ユービーアイソフト XBOX360版 発売日 2007年11月29日 価格 7,329円 PS3版 発売日 2008年1月31日 価格 7,329円 【概要紹介】 12世紀末の中東の街を、暗殺者となって駆け巡り任務をこなすアクション。 【お勧めポイント】 作りこまれたダマスカス、アッカ、イスラエルの街並みと建造物群。 美麗なグラフィックとあいまって次世代機のパワーを感じられた。 戦闘時のカメラワークもかっこいい。 人物の動きがちゃんとつながっていて自然に見えるのも何気に凄い。 【注意点】 メイン、サブクエストともにやる事が単調。 最初と最後を除き、情報収集→暗殺という流れが繰り返されるので中盤だれてしまう。 街を自由に歩き回ることはできても、それ以外にやる事はあまり無い。 【まとめ】 ネタバレになるので詳しくはいわないが、 『ゲームオーバーor仕事失敗→ちょっと前からやり直し』や『以前クリアした部分を再プレイ』といった システム的な要素をちゃんとストーリーの文脈で説明して、「だってゲームだから」で片付けなかったのに好感をもった。 他にも体力ゲージなどのインターフェースを表示しないように設定できたり、 プレイヤーをゲーム世界に没入させる工夫がなされていると思う。 不満点もあるけど、次回作に期待がもてる出来だと思う。 【一言ランク】 ある意味で観光ゲー。街や建築、歴史に興味のある人ならこのゲームを十二分に楽しめるだろう。 840 名前:名無しさん必死だな[sage] 投稿日:2007/11/29(木) 11 36 03 ID llcd/qbA0 さっきアサシンクリードが届いたんでさっそくやってみた。 まだ序盤もいいとこだがとりあえずインプレ。 今更ゆーのもナンだが、グラすげえ動きも良い。ただ歩くだけでカッコイイ。 洋ゲーのくせに日本語フルボイス。 しょっぱなからいきなりネタバラシ。 剣術戦闘がカッコイイ。主人公メチャ強い。 と思っているとその後のシーンで降格、弱体化させられる…… マニュアル読むと操作がややこしそうだがすぐ慣れる。かなりの部分が自動処理される。 どんな動作をとれるのか、村の中で色々試していたら市民から「あの人なにやってるの?」と不審がられた…… これから本格的なミッションに入る。 ひとつだけ残念なのは、無線が無いから 「こちらアルタイル、○○に潜入した」とかいうネタが出てこないことだな 841 名前:840[sage] 投稿日:2007/11/29(木) 12 08 21 ID llcd/qbA0 おっとひとつ書き忘れていた。 窓を閉める人も鉢植えを落とす人もいないぶんだけクレイジークライマーよりは簡単だと思います。 905 名前:名無しさん必死だな[sage] 投稿日:2007/11/29(木) 21 25 19 ID 7h8ihyGF0 840 アサクリいいよね とりあえず、大きな町までいったあたりのインプレ追加 やっていて、最初はメタルギアっぽいと思い込んでいたけど、かなり主人公スーパーマン 実はワンダと巨像みたいな雰囲気がつよい 目的はきちっと提示されているけど、枝葉で寄り道し放題 寄り道で、小さなメダル的探し物や、細かいミッションで少しずつ強くなるあたりもワンダっぽいかも 作りこまれた箱庭で、無敵にスーパーアスレチックとかできちゃう 操作はマニュアルを見ると混乱するけど、体系的にまとまっていて理解しやすい 906 名前:名無しさん必死だな[sage] 投稿日:2007/11/29(木) 21 26 47 ID A5g+AuUn0 905 聞くだけで惹きつけられそうだ。愉しめてるかい? 943 名前:名無しさん必死だな[sage] 投稿日:2007/11/29(木) 22 10 14 ID 7h8ihyGF0 906 難易度設定なんてすかしたもんがないだけに、ヌルゲーマー的に苦戦中 おっちゃんから手紙がすれないYO! とりあえず暗殺その他もろもろはおいといて、屋根の上の大冒険に移行 通行人に指差して馬鹿にされたりしながらクライミング 高い塔の上から飛び降りるときに目測誤って転落死 ふと気になってやってみたら、通行人も普通に暗殺できるのね(なぜか自分のライフが減るので虐殺はできないけど) 61 名前:名無しさん必死だな[sage] 投稿日:2007/11/30(金) 16 52 53 ID tIuFGPor0 前スレ943 ああ、俺もスリには苦労した。 気がつくとおっさんのケツを追いかける→バレて衛兵に追いかけられる、 を1時間以上も繰り返していたorz そこで苦労したからか、次のミッションでのスリはあっさり成功したが。 さて最初の暗殺任務に成功して、今はアッカの街にいるんだが ここでまたグッと難度が上がるな。 街の間の道中も敵が多くなってるみたいだし 兵士も強い。(カウンター攻撃を使えるようになって 戦闘はむしろ早く解決するが) 前のミッションでは屋根の上の散歩を心置きなく楽しめたが 今では屋根の上にもあちこちに衛兵がいる。 ついでに言うと乞食がうぜえw そうそう、前に鉢植えを落とす人はいないと書いたけど 下から投石する人がいるので、クレイジークライマーより難しいですね。 71 名前:名無しさん必死だな[sage] 投稿日:2007/11/30(金) 17 15 26 ID Jt8Gkpc30 61 乞食はマジでアサシンブレード背後から刺したくなるな 942 名前:名無しさん必死だな[sage] 投稿日:2007/11/29(木) 22 10 01 ID ZoQfN60g0 アサクリはなんか移動してるだけで楽しい ライオットアクトとは系統の違う超人感というか踏破感 ※初回特典「アサシン クリード リファレンスガイド」の感想 963 名前:名無しさん必死だな[sage] 投稿日:2007/11/29(木) 23 03 35 ID u5LLDVDa0 アサクリの初回特典 ネタバレありますって書いてあったからかなり恐々覗いてみたら 時代背景やらイメージギャラリーやらテクニック集やらかなり盛りだくさんの内容だな。 心配したネタバレも巻頭の人物紹介で軽く名前が出るのと後半にミッション攻略がある程度だから ちょっとプレイしたらミッション攻略以外は覗いても大丈夫だと思う。 あと、巻末でなぜか女優のインタビューがと思ったらプロデューサーインタビューで吹いた 884 名前:名無しさん必死だな[sage] 投稿日:2007/12/23(日) 11 25 48 ID DDXhATPTO 昨日、エリートを買うって言ってた者です 今アサクリやってるんだけど、凄いねこれは… 正直、今までハイパワーハイエンドって馬鹿にしてたとこあるんだけど、 こういう世界もあるんだな、と感心しました まあ、一番好きな据え置き機はやっぱりWiiですがw ノーモアとチョコダンとオプーナもやらなきゃ… 888 名前:名無しさん必死だな[sage] 投稿日:2007/12/23(日) 12 08 17 ID YtUDxdri0 884 箱○さんの次世代っぷりはむしろグラフィックとかより、超気軽なオンライン対戦やボイスチャットや体験版とかにあると思うんで、 そっちも是非堪能してくださいな 891 名前:名無しさん必死だな[sage] 投稿日:2007/12/23(日) 12 17 04 ID m221MviH0 884 アサクリか…楽しいんだが話術師の実績取り逃したことに気が付いて残り2エリアの旗集めやる気なくなっちゃった メインシナリオもラスボスんとこで止まってるしせめて終わらせねば オンはさすがに金取るだけあって快適だね。体験版も今ならバイオショックとか来ているし ピニャータとTDUの体験版は個人的にうれしかった 北米垢のデッドラは今も落とせるんかな? 979 名前:名無しさん必死だな[sage] 投稿日:2007/12/24(月) 05 19 58 ID V48Gzxal0 ついさっきアサクリ終了。 埋めついでに一言だけ絶叫させてくれ。 な ん じ ゃ あ こ り ゃ あ ー ! やり残した事を片付けるために序盤のミッションをやり直したら カウンター技がないことをすっかり忘れていて テンプル騎士に負けたorz
https://w.atwiki.jp/hshorizonl/pages/146.html
◆ 《ここでニュースをお伝えします。》 《東京都練馬区在住の女性の行方が分からなくなっています。》 ◆ 最近は女が行方不明になる事件が多い。 毎日そんなニュースばかりだ。若い奴が何人も失踪しているらしい。 捜索を続けてるって言ってたけど、どうせもう生きてないだろ。 他人事でしかない事件に対し、俺は内心毒づく。 夜の街。暗がりに電飾の光が輝く。 焼鳥。魚介。焼肉。ビルから生えた居酒屋の看板が主張を繰り返す。 がやがや、がやがや―――客引きだの、喧騒だの、喧嘩だの。何がなんだか分からない。カオスとしか言いようが無い。街は酷く混濁している。 目の前の大きな道路では、自動車が忙しなく行き交っている。高額バイト、ホストクラブ。訳のわからない宣伝を掲げたトラックが幾度と無く通り過ぎていく。 赤信号。蟻の群れのように夥しい数の人間達が、じっと待ち続けている。 大都会、新宿。歌舞伎町の横断歩道。 横断歩道の先、大通りの奥に見える映画館のてっぺんからは“怪獣の頭部模型”が顔を覗かせる。 そいつは俺達をじっと睨んでいる。この薄汚い街を彷徨う虫けら達を、傲岸に見下ろしている。 だから俺も、そいつを遠目から睨んでいた。 まるで神様みたいだ。天上から俺達を眺めて、大物ヅラしている。 誰のせいでこんな運命になったと思ってるんだ。なあ、おい。 聞いてんのかよ、神様。 信号が、青に変わった。 それと同時に、人々は歩き出す。 サラリーマン共が酔っ払って喋り散らかしている。 チャラチャラしたカップルが手を繋いでいる。 地味な風貌のおっさんがとぼとぼした足取りで進んでいる。 夜遅いってのに、女子高生がスマホ弄りながら前も見ずに歩いてやがる。 ゲーセン帰りの悪ガキ達は何やら大騒ぎしながらくっちゃべってる。 ガラの悪そうな輩は肩を怒らせて図々しく闊歩している。 有象無象に等しい奴らの隙間を縫うように、俺はひとり横断歩道を歩く。 誰も俺を気に掛けたりなんかしない。 俺が何処へ向かうのか、何を思っているのか。そんなのきっと、誰も興味を持たない。擦れ違う人々には僅か数秒だけ一瞥される。ほんの一瞬だけ、そいつらの世界に俺が現れる。そしてすぐに視界から排除される。 俺の存在なんて無かったかのように、やれ夕飯だの仕事だの家族だの遊びだの自分達の話へと戻っていく。 視線を前へと向けた。 人混みの中に紛れる、金髪に染めた若い女の背中を見つめた。 気取ったハイヒールを履いて、扇情的なミニスカートを揺らしながら歩いている。 俺はただ、そいつを舐め回すように見つめていた。 頭痛がする。 脳内が掻き回される。 何か分からない。 ただ、漠然と気持ちが悪い。 俺は一体、何をしているんだろう。 こんなところで燻ってる場合じゃないだろ。 やるべきことは、とっくに識っている筈なんだから。 俺の中で、誰かが囁き続けていた。 ◆ 《警察によりますと、女性は大手IT企業に勤めている28歳の会社員とのことです。》 《女性は午後7時過ぎに勤務先である代々木の会社を退勤したのを最後に連絡が途絶えています。》 ◆ ガキの頃、親父のクレジットカードを勝手に使った。 なんの為に?激レアのプレミア消しゴムを手に入れる為だ。 当時小学校のクラスで消しゴム集めが流行っていた。皆こぞって珍しい代物を見せびらかしていたし、俺もそれに乗っかっていた。 顔も運動も学業も、何の特技も無ければ美点も無い。親しい友人は自宅で飼っていたオカメインコの『まる』だけ。 そんな俺が輝ける唯一のチャンスだったから、収集にしがみついていた。 だからレアな消しゴムを幾つも持っていたクラスメイトが妬ましかった。そいつは金持ちの家の子供だったから、経済力という基盤があった。 たかだか細やかな小遣いしか持っていない俺が敵う相手じゃない。でも、勝ちたかった。だってそれくらいしか俺が活躍できる舞台は無かったから。 だから俺は親父のカードをこっそり盗んで、超激レアの消しゴムをオークションで落札した。10万も費やして。 そいつは永遠に届かなかった。いつまで待っても送られてこなかった。 騙された。どうすればいいか分からなかったし、カードの明細を見た親父からは散々殴り倒された。 俺がそんな風に奔走して、失敗している最中に、いつの間にかクラスでの消しゴムのブームは去っていた。 無価値。無意味。無駄骨。そんな言葉が当時の俺の脳裏を過ぎった。 年月を経て、俺は平凡な社会人になった。 ゲーム制作会社に就職した。ゲームが好きだったから、何となく。その程度の理由だった。 他社のゲームを研究することを会社から指示され、俺は片っ端からアプリに手を付けた。 そんな中で、俺は動物収集のゲームにハマった。レアな動物をガチャで集めていく、人気のアプリだ。 些細なきっかけだった。子供の頃にドードーのレア消しゴムを持っていたから、そのアプリにもSSRのドードーがいたから。その程度の理由だったが、気がつけば没頭していた。 何気なく覗いたユーザーランキング。 そこで“オークション出品者”と再会した。 一字一句、全く同じ名前だった。 小学生の頃、あの激レア消しゴムを出品していた奴だった。 ランキング最上位にそいつは居た。 そいつが同一人物である確証なんて何処にもない。それでも俺の脳内には、電撃が迸っていた。 これは、因縁だ。こいつと決着を付けなくちゃならないんだ。俺はそんな根拠のない確信を掴んでしまった。 俺は課金を繰り返した。ランキング上位に登りつめ、過去の因縁にケリを付けるために。そしてSSレア絶滅動物“ドードー”を引き当てるために。 長い時間――4年も費やした。課金総額、500万以上。 既に自身の異常には気付いていた。それでも止められなかった。 仕事の内容なんて頭に入らない。 周囲の呼び声もどうだっていい。 周りが酷く煩わしい。 うるさい。やかましい。鬱陶しい。 イライラする。苛立ちが抑えられない。 俺の魂は、因縁に囚われていた。 そもそも、これが因縁と呼べるのかも怪しい。 だってこんなの、俺の妄執でしかないんだから。 俺が悪い。俺の自業自得。俺がおかしい。 全部分かっている。知っている。 それでも、後戻りできなかった。 俺はどうなっているんだろうか。 答えは分かっている。ただの病気だ。 頭がおかしいから、このザマになっているんだ。 ある日、俺はついにドードーを引き当てた。 涙が出るくらい嬉しかった。死んでもいいくらいに喜んでいた。 その直後。余所見をしていた俺は、猛スピードで走るタクシーに轢かれかけた。 スマホが吹き飛んだ。 スマホが破損した。 翌日、携帯屋に走った。 バックアップが取れた分は復旧できた。 ゲームのデータも残っていた。 ドードーは消えていた。 破損する直前の記録が、まるまる吹き飛んでいた。 時を同じくして、子供の頃から可愛がっていたペットの『まる』もこの世を去った。 この感じ、前にもあったな。 その時の俺はぼんやりとそう思っていた。 無価値。無意味。無駄骨。 お前って、本当につまらない人生だな。 どうせ何もやることなんか無いんだろ。 だからこんな下らないことに熱中して、何もかも失うんだよ。 俺の中で誰かが囁いてくる。 それはきっと、他でもない俺自身だ。 24年も生きていると、何となく分かってくることがある。 それは、俺という人間が所詮モブキャラに過ぎないということだ。 無料のガチャを回して出てくる、雑魚みたいなノーマル。 いてもいなくても変わらない。 何の価値も無い、カス同然の輩だ。 ◆ 《警察は女性が何らかの事件に巻き込まれた可能性もあると見て、捜査を続けています。》 《それでは、次のニュースです――――》 ◆ 走った。 走って、走って。 ただただ、走り続けて。 必死になって、追いかけていた。 歌舞伎町の更に向こう側。 薄暗いラブホテル街の景色は、視界から一瞬で通り過ぎていく。 人通りの少ない路地は、僅かな街灯にのみ照らされていて。 俺は、そんな風景の中を死物狂いで走っていた。 はぁ、はあ、はぁ、はぁ―――。 呼吸が乱れる。 息が荒れる。 身体が草臥れていく。 胃が、肺が、痛めつけられていく。 それでも俺は、走る。 なにかに取り憑かれたように。 走って、走って、走って。 追いかける。 追い続ける。 彼女を。 目の前で逃げる、あの女を。 気取った金髪の女は、必死に走っている。 先程まで履いていたハイヒールは脱げている。 裸足のまま、恐怖に突き動かされているようだった。 そんな女を、俺はぜぇぜぇと息を切らさんばかりの勢いで追いかける。 雑踏。 路地。 暗闇。 都会の片隅が、残像になっていく。 脳内物質が、バチバチと弾ける。 夜風が、身体を通り過ぎていく。 何でこんなことをしているんだ。 何がしたいんだ。 理由なんてよくわからなかった。 いや、理由なんか必要なかった。 走って、追いかける。 ただそれだけの運動。ゲームと同じ。 ゴールへと向かって走る。何も変わらない。 そう作られているから、そうする。 それ以外の意味なんて無い。 俺はただ、あの女を捕まえたかった。 今の俺なら、何でもできる気がしたから。 走馬灯のように、過去の記憶が蘇る。 今までの失敗。快楽。挫折。絶望。 何もかもが、あべこべになっていく。 鮮明に切り替わる視野の中で、俺は一つの悟りを得ていた。 あの時消しゴム集めに執着したのは必然じゃないし、あの時必死に課金していたのも因縁のためじゃない。 俺がちっぽけな見栄に狂っていた。子供の頃の失敗を延々と引きずっていた。 何の関係もない偶然を、あたかも宿命であるかのように結び付けていた。 ただ、それだけのことだった。 分かっているのに、もう歯止めが効かない。 だから、走った。 走った。走った。必死に走った。 走って。走って、走って。 走って―――――――。 女を、路地裏の袋小路に追い込んだ。 女が何かを叫ぼうとした。 俺は咄嗟に女を押し倒した。 飛び掛かるように、馬乗りになる。 じたばたと女が足掻く。 拳を振り下ろした。 女の顔面に拳骨がめり込む。 ぐしゃりと、鼻に直撃した。 容易くへし折れたのが分かった。 鼻血塗れになって女が喚く。 迷わず女の口を左手で押さえつけた。 もがくように声を漏らす女。 窒息しかねない勢いで、俺は女の口と鼻を覆い尽くす。 手のひらに血の暖かさが滲む。 身に付けていた鞄のポケットを、忙しなく開いた。 ナイフを取り出した。 右手で柄を握り締めた。 女の表情は、見なかった。 見たくもなかった。 手のひらの裏で悲鳴を上げてるのも、聞きたくなかった。 俺が追い詰めたのに。 俺がこんな目に遭わせてるのに。 何故だが、吐きそうな気分になっていた。 聖杯戦争。マスター。サーヴァント。令呪。界聖杯。奇跡の願望器。 頭の中で、様々な情報が渦巻く。 さっきまでの不快感が、落ち着いていく。 嫌悪と恐怖が、感じたことのない高揚と興奮によって塗り替えられる。 これから俺は戦う。 ここでやらずに、どうする。 ゲームのチュートリアルなんだ。 これから殺していくのだから。 そうだ。俺の革命は、ここから再び始まる。 かつて叶わなかった反抗。 俺の殻を破るための儀式。 つまり――――『田中革命』だ。 俺は、ナイフを振り下ろした。 女の額に、刃物が突き刺さる。 どくどくと赤い血が溢れていく。 脳髄を掻き回すような、肉の感触が伝わってくる。 一瞬、声を上げそうになった。叫び出しそうになった。 それでも、俺は声を押し殺した。 勢いよく、刃物を引き抜いた。 そして。再び、振り下ろす。 反復作業のように、何度も、何度も。 ◆ 《東京都千代田区においても、女性が失踪しているとの情報が入っています。》 《警察によりますと、女性は今月×日に――――》 ◆ どれくらいの時間が経ったのかも分からない。 何回刺したのかも覚えていない。 俺はただ、無我夢中になっていたのだから。 女の亡骸を、呆然と見下ろす。 ミキサーで引き裂かれたように、顔面は原型を失っている。 徹底的に切り刻まれ、滅多刺しにされ、赤黒く染まっている。 壮絶な外傷によって、右目の眼球が飛び出しかけている。 もはや誰なのかも判別がつかない。 元々の美貌だって台無しで、何もかもぐちゃぐちゃだ。 そんな状況を前にして、俺は呑気にナイフの血をハンカチで拭う。 いそいそと拭き終えてから、赤く汚れたハンカチを鞄へと突っ込んだ。 ふう、と一息を吐いて。 返り血まみれになったパーカーを、俺は呆然と見下ろす。 汚してしまった。どうしようか。そんなことをぼんやりと考えていた。 初めて殺人を犯したというのに。 恐怖で雁字搦めになりかけていたのに。 それなのに、頭は冷めきっている。 脳内に刻まれた未知の情報に対する昂揚感が、俺の感覚を麻痺させていた。 俺はとっくに何かがぶっ壊れた。 再び、俺の脳裏に過去の記憶が蘇る。 消しゴム集め。 アプリのガチャ。 何もない人生を、常に一瞬の快楽で埋め合わせようとし続けた。 実像の無い、虚しい快楽だった。 何をしても満たされない。 だからずっと、目先の欲求にしか執着できなかった。 掴めばすぐに消えてしまう。そんなちっぽけな快感、勝利。 なんの意味もない。ほんの十数秒だけ得られる、麻薬のような快楽。 その一瞬だけ、必死に扱いて射精した時のような愉悦感に到れる。 そう、一瞬だけ。 それが終わった後は、虚脱感。 そして脳内でいつもの言葉が反復する。 ―――――で?それが何? 虚しさだけが込み上げてくる。 努力とか、経験とか、そうして掴めたものなんて一つもない。 パチンコで散々金をスッた直後に得られた、なけなしの景品。それと同じだ。 何の得にもならない。結局は何の糧にもならない。無駄。無駄無駄。ただただ、無駄なだけ。 だから俺は、いつまでも満たされない。 だけど、もし。 神様がこの世にいるとして。 奇跡のような巡り合わせを、気まぐれに与えてくれたら? そう思った、その矢先。 俺は迷わず、視線を上げた。 暗闇の宙に、そいつは漂っていた。 それは一枚の写真だった。 まるで風船みたいに浮かぶ写真の中から、白髪の老人が身を乗り出していた。 そう、写真から飛び出しているのだ。 まるで幽霊か何かのように。 「……誰だよ、あんた」 どう見ても異様な光景だったのに、俺は不思議と冷静だった。 「きさまがマスターじゃな……!」 老人は俺の言うことを無視して、一人で呟く。 俺は、右手の甲を見つめた。見覚えのない紋章がそこに刻まれている。 これが、参加者としての資格。そういうことらしい。 「よく聞け若造ッ!『聖杯』さえ掴めばあらゆる願いが叶う!富や名声だろうと心の平穏だろうと全て望みのままなのだッ!!」 そして―――老人は、畳み掛ける。 熱の籠もった口調で、何処か狂的に。 「わしは『わが息子』に必ず聖杯を掴ませると誓った……そのためには若造、マスターであるきさまの存在も不可欠!」 悲しみ。苦悩。怒り。誓い。 様々な感情を入り混じらせて、老人は喋り続ける。 「きさまのサーヴァント―――『わが息子』は人を殺さねばならないサガを背負っている!社会が息子を追い詰める限り!英霊の座という檻に閉じ込められる限りッ!息子に“真の平穏”は訪れない……」 この年寄りの事情なんか、何も知らない。 こいつが何を言いたいのかも、理解できない。 興味も無い。だけど、感じ取れることはある。 多分、こいつは―――俺の味方だということだ。 「『聖杯』を手に入れる為に戦え!!どこまでもハングリーになって自らの『欲望』を追い求めるのだッ!!」 老人は、俺に対してそう告げて。 そして直後に、夜の影に溶け込むように姿を消した。 再び、静寂がその場を支配した。 俺と死体だけが、そこに取り残される。 まるで案山子のように、その場に立ち尽くして。 暫くの間を置いてから、俺は鞄の中を覗き込んだ。 ナイフと共にしまいこんだ“それ”を、虚ろに見つめた。 ペットの『まる』を埋葬したあの日―――俺は偶然にも力を手にした。 拳銃。人の命を奪うための道具が、公園に埋められていた。 何でこんなところに。誰がやったのか。そんなのはどうだって良かった。 そして、この現状。聖杯戦争。勝ち残ればどんな願いでも叶う。 あの拳銃を手にした直後、俺はこの世界に迷い込んでいた。 ピンチの時こそ最大のチャンスが訪れる。追い詰められれば必ず救済措置がある。ゲームとはそういうものだ。そうプログラムされている。 神様。クソみてえな神様。 アンタに言ってんだよ。 これが、俺への救済措置ってわけか? 思う存分、今までの元を取り戻せって。 そういうことだよな? おい、神様。これも運命か? 勝ち残れ。今度こそ価値のあることをしろ。 そういうお告げなんだよな? 神様よ。 ボンッ。 唐突に耳に響く、小さな爆発音。 視線を、ふいに下ろした。 いつの間にか、死体は跡形もなく消え去っていた。 俺はただ呆然と立ち尽くして。 そして路地の暗がりへと溶け込んでいく“人影”を見た。 その手に握り締められていたのは、“女性の右手”だった。 死体の手首を切り取り、持ち帰った。 残された肉体は木っ端微塵に吹き飛ばした。 そんな常軌を逸した状況を目の当たりにし、俺の脳裏で“あのニュース”がフラッシュバックした。 ああ、そういうことかよ―――。 俺は笑みが止まらなかった。 これから人を殺していくんだ。 だから俺のもとに、“殺人鬼”がやってきたんだ。 なあ、神様。 最高じゃねえか。 ◆ 《東京都在住、20代女性の行方が――――》 《先日未明、30代女性が消息を――――》 《銀行員の××さん(29)と連絡が取れず――――》 《大学生の××××さん(20)が現在――――》 《この女性を探しています ×月×日を最後に行方不明》 《#拡散希望 妹の行方がわからなくなっています》 《次のニュースです。会社員の女性が―――》 《朝のニュースをお伝えします》 《ただ今入ったニュースです》 《この人を探しています!》 《この人を探しています!》 《この人を探しています!》 《この人を探しています!》 《この人を探しています!》 《この人を探しています!》 ◆ 【クラス】アサシン 【真名】吉良吉影@ジョジョの奇妙な冒険 【属性】中立・悪 【パラメーター】 筋力:E 耐久:D 敏捷:E 魔力:C 幸運:A 宝具:C 【クラススキル】 街陰の殺人鬼 A 気配遮断の変容スキル。 他主従から魔力の気配を一切探知されず、またマスターによるステータスの視認をシャットアウトする。 例え町中を堂々と闊歩しようと、彼はサーヴァントとして認識されない。 戦闘態勢に入っている最中のみスキルの効果が完全解除される。逆を言えば『猟奇殺人』や『暗殺』としての行動ならば、例え宝具を発動しようともスキルの効果が持続する。 【保有スキル】 精神汚染:B+ 吉良吉影は狂気を飼い慣らし、抑え難い欲望と共に日常へと溶け込んできた。 同ランク以下の精神干渉を無効化するが、時に“美しい手を持った女性”に対する殺人衝動に駆られる。 追跡者:B 「殺人の標的」「自身の正体を探ろうとする者」を直接認識した際、以後その対象の気配を探りやすくなる。また対象に危害を加える際には先手を取りやすくなる。 このスキルは宝具『血が絆を分かつとも』で召喚された“写真のおやじ”にも共有される。アサシンと“写真のおやじ”のどちらかが標的を直接認識さえすれば、もう片方も本スキルの恩恵を受けられる。 窮地の運命:A ピンチに陥った際にチャンスが訪れるスキル。 戦闘突入時に自身の幸運値判定にプラス補正が掛かり、更にアサシンの真名を知った相手に対しては攻撃や逃走におけるクリティカル判定の成功率が倍増する。 【宝具】 『彼女は殺戮の女王(キラークイーン)』 ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:1~4 最大補足:1 傍に立つ精神の化身『スタンド』。近距離パワー型に分類され、「筋力 B 耐久 D 敏捷 C」相当のステータスを持つ。 触れたものを爆弾に変える能力を持つ。爆弾に変えられるものに制限はないが、爆弾化出来るのは一度に一つまで。 起爆方法は「地雷のように何かが触れることで起爆する接触型の爆弾」か「スタンドの右手のスイッチで起爆する着火型の爆弾」のどちらかを指定可能。 また、爆弾に関しても「爆弾自体が爆発するタイプ」と「爆弾に触れた者が爆発するタイプ」のいずれかを指定できる。 一度爆弾の設定を決めたら爆破させるか一旦爆弾化を解除するまで変更出来ない。 爆弾化した物質に外見や構造面での変化は起きず、「爆弾」の判別は困難。 スタンドビジョンのダメージは本体にフィードバックされ、キラークイーンが破壊されればアサシンは消滅する。 『彼女を愛した猫草(ストレイ・キャット)』 ランク:D 種別:対人宝具 レンジ:1~50 最大補足:5 キラークイーンの腹部に収納されている植物と猫の融合生物『猫草』。 周囲の空気を自在に操り、空気を固めて防御壁にしたり空気を砲弾のように発射することなどが出来る。 吉良吉影はこの特性を戦闘に利用し、“爆弾化した空気弾”を飛び道具として射出することで攻撃を行った。 生前とは異なり猫草はキラークイーンと完全に一体化している為、如何なる宝具やスキルを用いても奪取することは出来ない。 『血が絆を分かつとも(アトム・ハート・ファーザー)』 ランク:D+ 種別:召喚宝具 レンジ:- 最大補足:- アサシンの現界と共に自動発動する宝具。 実父である吉良吉廣、通称“写真のおやじ”が使い魔として召喚され自律行動をする。 “写真のおやじ”は「気配遮断:B」「単独行動:A+」のスキルを保有し、偵察や隠密行動を得意とする。またアサシンやマスターと念話で交信することが可能。 『殺人鬼・吉良吉影の幇助をしていた逸話』を体現する姿であること、サーヴァントに満たない存在故に異能が完全に再現されなかったことから、写真の中に閉じ込められた状態で現界している。 そのため彼自身がスタンドを行使することは不可能。スタンド使いを生み出す『矢』も所持していない。 また単独行動スキルを備えているものの、アサシンが消滅すれば“写真のおやじ”も消滅する。 【weapon】 スタンド『キラークイーン』。一般人にはスタンドを認識できないが、サーヴァントとマスターにのみ視認される。 なお界聖杯における吉良吉影は“川尻浩作に成り代わった後”の側面が色濃く出ている為、第2の爆弾『シアーハートアタック』は使用不可能。 時空そのものに干渉する『バイツァ・ダスト』も再現されていない。 【人物背景】 吉良吉影は静かに暮らしたい―――。 彼は植物のような平穏を好み、面倒事や気苦労を嫌う。 表向きはこれといって特徴のない地味なサラリーマン。 しかしその正体は『美しい手』への執着心から48人もの女性を殺害してきた連続殺人鬼である。 物語中盤、町を守る“黄金の精神”に追い詰められた彼はある手段によって自らの顔を入れ替えることで逃亡を果たした。 界聖杯においてはバイツァ・ダスト発現後の姿で召喚されており、それ故に顔も“川尻浩作“のものとなっている。 【サーヴァントとしての願い】 英霊という大層な“枷“など要らない。 自らが望む“絶対的な平穏”を勝ち取る。 【マスター】 田中 一@オッドタクシー 【マスターとしての願い】 聖杯を手に入れる。その先のことは何も考えていない。 ほんの一瞬の快楽を凌駕する、究極の絶頂を確かめてみたい。 【Weapon】 拳銃(6発のみ装填、予備弾薬なし)。ナイフ。 【能力・技能】 特に何もない。ゲーム制作会社に所属していたが、際立った技能は持たない。 しかし彼は、ちっぽけな狂気の一線を越えている。 【人物背景】 ゲーム会社に勤務する24歳の男性。 作中では名字でのみ言及され、オフィシャルブックでフルネームが明かされている。 普段は大人しい性格だが、物事にハマるとのめり込んでしまう節がある。 小学生の頃はレア消しゴム集めに夢中だった。社会人になってからは動物収集アプリゲームに没頭した。 執着と病理で雁字搦めになった彼は、ある事故をきっかけに道を踏み外していく。 【方針】 皆殺し。ゲームに勝つ。 サーヴァントだろうと、マスターだろうと、殺す。 【備考】 アニメ4話『田中革命』の終盤、拳銃を手に入れた直後から参戦。 界聖杯でのロールは会社員だが、無断欠勤を続けている。 作中では擬人化されたピューマの姿で描写されているが、界聖杯においてはあくまで人間と見なされ「平凡な風貌をした24歳の成人男性」として他者から認識される。
https://w.atwiki.jp/letsrebirth/pages/101.html
もはや慣れさえも覚えてしまった、ループする日常。 死して目覚めることを繰り返し、幾度となく多くの経験を積んできた日々。 血反吐を吐き内蔵をぶちまけ、いつ終わるとも知れない戦場を彷徨い続けてきた。 そして今―――数え始めてから実に157回目―――もまた、脱出する事は叶わずに新たなループに突入しようとしていた。 ――――――くそ、またか……だがこれで覚えた。 ――――――これなら……次のループで、きっと突破できる。 ――――――今度こそ……!! しかし……何度も願ったその文字通りの意味で命賭けの望みは、皮肉にも思わぬ形で実ることになった。 死に覚えという『やり直し』を望む願望と、それに相反する『やり直しからの脱出』という願望を併せ持っていたがために…… ◆◇◆ 「……聖杯、戦争……?」 目覚めた時に見えた天井は、いつもの宿舎とは違っていた。 己が手には、目覚めの度に記してきたループの回数を示す数字の代わりに、赤い文様が浮かんでいた。 そして、脳内には今までにない知識が流れ込んでいた。 聖杯戦争。 サーヴァントを用いて戦い、生き残った者には万能の願望器が与えられるという儀式。 その参加者に、自分は選ばれ招かれた。 何もかもが、今までのループとは違っていた。 全く異質すぎるその状況に、彼―――キリヤ・ケイジは、ただただ戸惑うしかなかった。 (……ループを抜け出せた……けど、この状況は……) 変わらぬ繰り返しにより精神をすり減らしてきた毎日。 その耐え難き苦痛から脱出出来た事自体は、喜ぶべきなのかもしれない。 だが、そこに至るまでの過程が想像を超えすぎていた。 ギタイに打ち勝ち戦いに勝利し、その上で新たな日々を迎える。 それこそがケイジの考えていた最善であり、望んでいたものであった。 故にこの状況ではどうしても喜ぶよりも前に驚愕が出てきてしまうが、これを驚くなという方が無理という話だろう。 (……とにかく動こう。 ここでじっとしているわけにはいかない) とは言え、いつまでも惚けている訳にはいかない。 頭に流れ込んできた情報どおりならば、これは正真正銘の殺し合いだ。 何でも望みが叶うというのは胡散臭い話ではあるが、ケイジも時間のループという通常では考えられない経験をしている。 そしてなにより、この聖杯戦争によってループを脱する事が出来たのだ。 ならば真実として信じる他なく……いつ誰が襲って来るかも分からないのだから、兎に角集中しなくてはならない。 不意打ちや奇襲の類で死ぬことは、これまでのループで嫌なほど体験しているのだから。 (……聖杯……何でも願いが叶う願望器か。 それがあれば……ギタイどもを地球から一匹残らず抹殺する事も……) 同時に、聖杯へと託す望みもまた胸中に浮かんできた。 圧倒的な力と物量で地球を侵略しようとする忌まわしきギタイども。 聖杯があれば、その全てを消し去ることができるかもしれない。 ギタイの驚異から人類を救い出せる……そんな希望が、ケイジの中に湧いてきたのだ。 (……その為には、他の参加者を殺さなくちゃならない。 そして、多分……ここで死んだら僕は本当に死ぬことになる……) だが、その願いを叶えるには他の参加者に勝つ……つまりその命を奪う必要がある。 人類の為に倒すべきギタイではなく、守るべき人類に刃を向けねばならないのだ。 まさかここで死んだ者がループしてまた復活するなんて事はありえないだろう……無論、自分も含めてだ。 ならば、どうすればいい。 今までと違って、死んでやり直すことはもうできない。 どの道、開始から一週間が過ぎてしまえば死ぬしかなくなる。 ギタイを地球から消し去らねばより多くの命が消える。 だから、戦場に勝ち残る道を選ぶべきか。 それとも、ギリギリまで他の道を模索するべきか。 罪のない命を奪いたくないという思いに従うべきか。 これまでのループでもそうしてきた様に、絶望的な状況下での希望を探し求めるべきか。 それはケイジが158回目にしてようやく掴んだ、本当に取り返しのつかない重すぎる選択だった。 ――――ガタッ。 「…………!!」 その時だった。 不意に背後から聞こえてきた物音に、ケイジは反射的に振り返った。 まさかもう、他の参加者が近づいてきたのだろうか。 警戒心を剥き出しに、物音の方向へと視線を向けると……そこには、一人の男が立っていた。 金髪のオールバックをした、警官服を身に纏う白人男性。 その容姿だけを見ればどこにでもいそうなただの警官だが、しかしその瞳にはあまりにも冷たい眼光が宿っていた。 例えるなら、抜き身の刀のような……人間らしさがまるで感じられない能面の様なものであった。 (他のマスターか、サーヴァント……!? まずい、こっちも応戦の準備を……僕のサーヴァントは……!!) 咄嗟に身構え、状況を冷静に確認する。 この男が他の参加者であれば、どうにかして迎え撃たなければならない。 しかしこの場には、いつもと違い機動ジャケットもバトルジャケットもない。 頼れる武器は唯一、自身に宛てがわれたサーヴァントのみなのだが……そこまで考えて、ケイジはある事に気づいた。 自分のサーヴァントは、一体どこにいるのか。 頭の中に流れてきた情報通りなら、サーヴァントはマスターのすぐ傍らに控え立っている筈である。 だが今、それらしき者の姿は見当たらない。 まさか自分には、サーヴァントがいないというのか。 「……いや、待て。 まさか……お前が僕のサーヴァントなのか?」 否。 もしや傍らに立つこの男こそが、自分のサーヴァントではないのか。 状況からしてその可能性が高いと、ケイジはその男に問いかけたのだった。 無論、万が一ということもある……確認できるまでは、不用意に警戒心をとかない方がいいだろう。 出来ることなら、期待通りの答えが返ってきてほしい。 固唾を呑んで、彼はそう願ったのだが…… それは、最悪の形で裏切られることになった。 「なっ……!?」 問い掛けから数秒後。 男が無言のままに右手を前に出し……その手が、鈍く光る銀の刃へと変化したのだ。 そして、力強く床を踏み抜き疾走。 僅か一瞬で間合いを詰め、その刃と化した右手をケイジの喉もとめがけ突き出したのである。 「くっ!?」 警戒心を解いていなかった事が幸いした。 ケイジはギリギリのところでそれに反応し、横へと大きく転がってその一撃を回避することに成功した。 振り抜かれた右手は背後の壁をいとも容易く貫通し、大穴を開けている。 人間では考えられない所業。 戦場でギタイと出会った時に似ている。 この男は、紛れもない人外の存在……サーヴァントだ。 「…………」 男は左手も右手同様に刃へと変形させて、再びケイジに迫る。 またしても一瞬で詰まる距離。 男は左右から同時に刃を振り抜き、その首を狙う。 動きは一度目よりもさらに早く鋭い。 今度は……回避が、間に合わない。 「……やめろぉっ!!」 ようやくループからの脱出が叶ったというのに、これからどうするかも決めてないというのに、こんなところで死んでたまるものか。 逃れられぬ死の一撃を前に、ケイジはただ叫んだ。 そんなもので止まる筈がないのはわかっていたが、口にせずにはいられなかったのだ。 すると、そんな彼の渾身の願いに呼応するかのように……その手に宿る令呪が赤く輝き。 「ッ……!?」 男は、その手を止めた。 ケイジが発した令呪が、その動きを封じたのだ。 「……令呪が……やっぱりお前が、僕のサーヴァントか…… けど、それならどうして僕を……?」 ケイジは安堵のため息をつく同時に、目の前のサーヴァントへと問いかけた。 他でもない自分のマスターを、それも召喚直後に殺そうとするなんてただ事ではない。 この異常な英霊は、一体何者なのか。 何をもってこの聖杯戦争に参加しているのか。 その真意を、確かめなければならない。 集中力と緊張感をそのままに、固唾を飲んでケイジはその答えを待った。 そして、返ってきた答えは……あまりにも残酷で、冷たい言葉だった。 「勝利のため、人類を抹殺する。 それが我々の役目だからだ」 そのサーヴァントの名は、T-1000。 人類が絶滅の危機を迎えている未来の世界より、時空を超えてあらわれた最悪の殺人ロボット―――ターミネーターである。 彼が機械軍の人工知能スカイネットに与えられた使命は、人類抵抗軍指導者ジョン・コナーを成長する前に抹殺する事。 そうする事で、機械軍の勝利を確かなものとする……人類に完全な滅びを与える事なのだ。 ギタイを抹殺し人類を救うべく、未来を変えるために過去へのループを繰り返し続けたキリヤ・ケイジ。 人類を抹殺すべく指令を与えられ、未来を変えるために過去の世界へと送り込まれたT-1000。 近しい境遇を持ち、しかしその目的はあまりにも正反対すぎる二人。 はたして何の因果か……聖杯戦争は、この両者を主従として選んだのであった。 【クラス】 アサシン 【真名】 T-1000@ターミネーター2 【パラメーター】 筋力:D 耐久:A 敏捷:B 魔力:E 幸運:D 宝具:A 【属性】 中立・悪 【クラススキル】 気配遮断:D サーヴァントとしての気配を断つ。隠密行動に適している。 【保有スキル】 戦闘続行:B 戦闘を続行する為の能力。 決定的な致命傷を受けない限り生き延び、瀕死の傷を負ってなお戦闘可能。 【宝具】 『迫り来る流体の殺戮者(T-1000)』 ランク:A 種別:対人宝具 レンジ:1~50 最大捕捉:1 T-1000の宝具にして、T-1000そのもの。 流体多結晶合金製のその肉体は、基本となる人型を構成する状態から完全な液状、 あるいは刃物のような高い硬度を持つ固体状態まで自在に変容することができる。 その変化は完璧であり、人に擬態した場合はその容姿はもちろん声帯や感情パターンまでも忠実に再現できる。 物体に変容する場合もその色や模様、質感までも元通りにコピーすることができるが、 銃器や自動車の様な複雑な部品を有する物体や、火薬やガソリン、薬品などの化学反応を伴う物質には変身できない。 その液体金属状の肉体故に外部からの衝撃によりダメージを負っても致命傷とはならずすぐに再生が可能。 バラバラの破片に砕かれても結合し元通りになるなど、アサシンにあるまじき高い耐久はこの宝具による。 しかし液体金属という性質上、極低温下においては肉体が凍結してしまうという弱点もある。 また、あまりに強すぎる衝撃を一度に受けた場合は一時的に形態維持能力が混乱し、機能不全を起こし無防備な状態になる事もある。 破壊するには、この状態でさらに修復不可能なほどのダメージを与えるか、 それ以外では高熱や化学変化でT-1000の肉体そのものを完全に分解・溶解するしかない。 【weapon】 変容させた自らの肉体そのもの。 【人物背景】 人工知能スカイネット率いる機械軍が人類を絶滅まで追い込んだ破滅の未来で生み出されたターミネーター。 従来のターミネーターよりも優れた耐久力とスピード、パワーを持って生み出された。 人類抵抗軍の指導者であるジョン・コナーを抹殺するようスカイネットからプログラムされており、 まだ彼が幼い子供の内に殺すべく過去へと送り込まれた。 【サーヴァントとしての願い】 人類を抹殺する。 ジョン・コナーの殺害を絶対とする。 【基本戦術、方針、運用法】 目的達成のためならば手段は選ばない。 何者であろうとも邪魔な人類は殺害するのみ。 ケイジの令呪により動きを制限されている。 【マスター】 キリヤ・ケイジ@All you need is kill 【マスターとしての願い】 終わりのないループからの脱出。 ギタイを地球上から一匹残らず抹殺し、人類を救う。 【weapon】 軍人としての基本的な能力。 【能力・技能】 157回にも及ぶループによって培われた集中力と状況判断力。 幾度となく命を晒すことで身につけた戦闘技術。 【人物背景】 近未来世界、異星より地球に襲来した異形の侵略者『ギタイ』を打倒すべく統合防疫軍に入隊した初年兵。 初出撃でいきなり絶望的な戦場へと送り込まれ、そこで命を落とす。 しかし意識を取り戻した瞬間、出撃前日の朝に戻るという現象に見舞われ、 以後は死亡するか30時間が経過すると再びその朝に戻るというループする日常を繰り返すことになる。 そんな生と死を繰り返す中でも己の記憶だけは積み重ねられると認識し、ギタイを打ち倒すために 何度も死亡してはコツを掴むという死に覚えの経験を積み重ねてゆき、兵士として著しい成長を遂げていく。 だがその精神は終わりの見えないループの中で磨り減っており、脱出を果たせない日々に苦しんでもいた。 【方針】 ギタイを抹殺して人類を救いたい。 しかし、その為に他の参加者を殺さなければならないのかという葛藤があり、どうすべきかに悩んでいる。 BACK NEXT -008 戦争屋と死神 投下順 -006 ボッシュ=1/64&バーサーカー 時系列順 BACK 登場キャラ NEXT 参戦 キリヤ・ケイジ 000 黄金のホーリーグレイル-what a beautiful phantasm- アサシン(T-1000)